のどけからまし
ベルファスト
避けては通れない、ちょっとヘビーな話
またしてもッて感じで、事務の手続きの不手際で、9つもベッドルームのある寮に私一人になってしまっ
た。
どういう事かというと、それまで一緒に寮に住んでいた人達は皆それぞれの国に帰ってしまい、私はというと、もう暫くいる予定だッたのだけど、一人減り二人減り、そのうち新しい人が入って来るだろうと思っていたのに誰も来ない。 隣の建物にも人の気配はしない。 これはもう寂しいと言ういうより、無気味、そして誰もいなくなッた状態。 そりゃあ、東京の喧噪にはうんざりしてたけど、アイルランドまで、 肝試しに来たわけじゃない。 ましてや座禅しに来たわけでもない。 こんな所じゃ間違ってドロボーに殺されたって遺体も見つけてもらえんぞー。
等と考えて、そんな所に一人で住むのは嫌だから、部屋を変えてくれと事務局に言いにいったら、「あら?本当にあなた一人なのねえ、ごめんなさいねえ、」
と、書類を見ながら呑気な答え。でっ「どっちがいい?静かな所?それとも賑やかな所?」と今度は私に聞いてくる。
静かすぎる部屋にうんざりしてた私は1も2も無く「賑やかな所」と答えたのだけど、これが大きな間違えだった。 それに気がついたのは、部屋を移ッたその日。
確かにとっても賑やかでした。何しろ他の寮生は全員スペイン人しかも、男の子。 (スペイン人がどのくらいうるさいかって? 彼等にとって「アイルランドのパブはとっても静か」なくらい。アイルランドでは、皆”話”をしているけど、スペインでは皆が”喋って”いて誰も聞いていない。そうです。) それは別に好いんだけど皆フレンドリーだし、ただ、
食事をしようとキッチンにいって眼を疑ッた。 誰も居ないのに、汚れた食器がそのまま。
それはまだ好い。 で、食欲をなくした私は、(料理?の前に大量の食器を洗う気になれなかっただけという説もある。)そのまんま自分お部屋に戻ッたのだけれど。 見たの! 私がこの世で一番嫌いな生き物を、
(ベルファストみたいな寒い所には生息していないだろうという私の勝手な思い込みはみごと崩れ)しかも、私のお風呂用の身体を洗うタオルの上に!黒いものを! 「ぎゃあ〜〜!!!!」 ト悲鳴をあげるのを堪え、息を殺し、タオルごと、「それ」を窓から投げ捨て、、、、あ〜心臓が停まるかと思ッた。(それくらい嫌いなの!!「それ」が!!!)
ちなみに、ベルファストの某総合病院の産科病棟に「それ」が一匹、出たらしいのだけど、そしたら、なんと彼等は病棟丸ごと閉鎖してしまッた。 入院患者がどうしたかは知らないけれど、それも過剰反応だと思うが。
ベルファストでは、害虫駆除は地方自治体の仕事らしく、以前、奴の住んでいたフラットに「それ」が出た時、保健所に電話したら即駆除に来てくれたそうな。勿論無料。 日本もこれだけは見習ってほしい。 (あなたよ!大家さん私はあなたに言いたいの。保健所でもかまわんけど) 最もその時は、どうも、その害虫の巣は隣の部屋にあるらしく、
隣の部屋の住人からの依頼が無ければ、彼等には権限が無いので何も出来ないと言われ、奴は、その話を隣の部屋の住人(若い女性だったらしい)にほのめかしたら、それ以来、口を聞いてくれなくなッたとのこと。
まあ、私が「それ」をアイルランドで見たのは、それが最初で最後だった。 しかし、ドイツでは見た、何度か、、、。 私達のいきつけのドイツのパブ、単に私達の住んでいたフラットと同じブロックにあり、徒歩1分で行け、夜中の3時でも、食事のオーダーが出来るというところ、まあ、皆例によってフレンドリーで、サービスも好い。 というか、いつも飲んべえ(彼らにとっては上得意)のアイリッシュの世話をしていて?同情されてたのかも知れない。 なにしろ、私に関しては飲み物をチャージされた記憶が殆ど無い!
で、聞いた話(で好かった)なのだが、そこのバーテンの一人は、「それ」に名前を付けていたらしい。ジョージとかなんとか。 やはり近所に住むデイブが飲んでいたら、「それ」がカウンターを歩いていて
気付いたバーテンダーが、退治するかと思いきや、「あら、ジョージちゃん」なんて愛おし気に「それ」に向かって話しかけたとか、、、、。 今にも、「それ」に、餌でもあげかねない様子だったと、デイブは相当切れていたけど、
その場に居なくて好かった。 いたら2度といけない。 だもんで、そこでの目撃談は数知れず、、、。またしても、話はそれたが、、、。
というわけで、こんな所には住めん!!
と思った私の次のフラットは、ベルファストのシティセンター。 (なんてことはない。「それ」に耐えられず、奴の部屋に転がり込んだだけと言う説もある)メインストリートまで、徒歩1分。 ツーリストイフォメーションと同じブロックにあり、建物の隣は、ちょっとした公園のような、広場になっており、部屋の窓からはセント アン カテドラルト。 夏は観光客がその広場で、そのカテドラルをバックに写真にパチパチするのを眺めながら、「彼等はアメリカン、スカンジナビアン」とかいいながら料理や、御飯の食べれる
という、超便利でまあオシャレ?な所。
建物も新しいらしく、ヨーロッパのフラットには珍しく、広めのホールがあり、エントランス部分は壁も全てガラス張り。勿論オートロック。 昼間はケアテイカー、夜は必ず警備員がいる。いわゆる24時間駐在。
こう書くと何やらスノッブな所のようだが、そこはベルファスト決してそんな事は無い。 私自身、そのエントランスのガラスが、割られているのを2度程目撃した。 それでも、2度とも、次に、見た時はきちんと、直されていた所を見ると、ケアテイカーのダニーは、親切で、好奇心旺盛なだけでなく、きちんと仕事もしているらしい。 また、ある時等は数人の酔っぱらッた若者がそのホールに座り込んで、酒盛りをしていた。
つまり、24時間駐在というのは、贅沢なのではなく、そうでもしないと、住める状態をキープ出来ないということらしい。 エントランスがガラス張りなのも、デザインとかそう言う事ではなく、防犯の為とのこと。 真夜中でも、煌々とライトのついたエントランスは丸見え。 殆ど日本のコンビニ状態。 で、大抵、そこで、警備員のおっちゃんが、本を読んだり、夜食の弁当を食べている。
当然の成行きというか、そこの住人は、少し変わッた趣向の持ち主が多いらしく、奴は、2度程、エレベーターの中でゲイのお兄ちゃん達に、襲われそうになったらしい。(詳細割愛)
が、それ以外は、何の問題もなく、「それ」も出ず、住みごごちもなかなか好かった。 特に、私が向こうについた時は、丁度、いわゆる、和平合意の直後で、オレンヂマンパレードの前後のゴタゴタ(私の友人は彼女の家の前に爆弾を仕掛けられた「ことのはじめ2」参照下さい。)を除けば、大した事もなく。 たまにテレビのニュースで、「ドコソコの村で仕掛けれれた爆弾により2人が犠牲になった。」 等と流れる程度で、これも、私(無神論者)にとっては、政治的な背景はあるものの、いわゆる理不尽な殺人事件のひとつだった。
続く
前振りばかり長くて、申し訳ない。 次回、本題に入ります。
正直、書きづらい話です。
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