のどけからまし消えた車イージーゴーイングなアイリッシュが官僚主義バリバリのドイツに住むとどうなるかって、、、 珍しく、観光旅行しかもパリから帰ってきたの日の事。 普段は、どさ回り(つまり、ギャラ、マイナス、コストでなんぼの生活。)ばかりなもんで、 観光なんてピンとこない、で何故わざわざ、いくはめになったかと言うと、ある日の事、2 ヶ月ごとの日本の実家から電話で、「ちょっと来週パリ迄出てこない?」「はっ?」何でも、 うちの兄が仕事で、パリにいく事になったから、私達に会いたいと言うのだ。当時、うちの 家族はまだ彼に会った事がなく、男とヨーロッパで同棲しているらしいと言う事しか知らず、 仕事ついでに、兄に様子を見てくるように指示したらしい。そりゃ、日本から見れば、おフ ランスとドイツなんてお隣さんでしょうけど、別にわざわざパリに、家族に会いにいくなん て、暇も金もない!と言ったところ、「あんたの口座にお金振り込んでおくから。」などと 説得されるに至たったわけであります。 のっけから、話が随分それたが、話を元に戻すと、 パリから帰ってきた日の事。同じアパートの階下に住むアイリッシュの友人テリーから電話 で、「いま、アイルランドから帰って来たんだけど、、、アパートの下の駐車場に駐いとい た車が消えているんだけど何か知らない?」 「えっ、私達が帰って来た時にはなかったよ、だからもう、テリ−はアイルランドから帰っ て来たんだねって話してたんだけど....」 「今帰って来たところで、見たら車がなくなってる!!!」 「じゃあ、デイブは?」(彼は長期ドイツを離れる時は、車を置きっぱなしにするのは嫌な ので、やはり近所に住むブリティッシュアイリッシュの友人デイブに鍵を預けて乗ってもら っていたのだ。)「いや、この間、彼も自分の車買ったし、今回は頼んでない。 でも一応電 話して聞いてみる。でも、2週間も置きっぱなしにしてたので、盗まれたのかなあ。やっぱり」 などといつつその日は、終わった。 ところが次の日、私が一人でアパートでコーヒーを飲んでいると、テリ−が、やってきて、 ドアをあけるなり「ちょっと見てもらいたい物があるんだけど、、、」といいつつソファに 座り込む。 見てみると、彼の手には手紙らしき物の束。「車見つかったの?」 と聞くと 「いや、まだ、、、。」うーん元気がない。そりゃあ車がなくなってショックだろうけど それにして彼らしくもない。 「警察には届けたの?」と聞いても「いや、まだ、、、。」 「コーヒー飲む?」「ありがとう。、、、それよりこれ、、、見てくれる?」 コーヒーを入れソファに座っている彼のところに持って行くと、彼は手紙の束を差し出した。 見てみると、全部ドイツ語。何これ、どうしたの?開けていい? クレジット会社から引き落としのお知らせとか、選挙のお知らせとかDM、一づつ説明をしな がら見ていくと、(随分長いことドイツにいるのに彼はドイツ語がダメ。)税金の督促状。 「、、、これ、車の税金、、払えって、七回も請求書と督促状送っているって書いてある。」 「、、、やっぱり、、、、。」ほとんど消え入りそうな声。 「やっぱりって、いままでどうしてたの?」と、聞いてみると、 何でもドイツ語の手紙は全然分からないから読まずに全部捨てていたというでは ないか。ヒトコト言っておくと、彼は、一応、奴の雇用主で、数十人の部下を使う、黒ビー ルで有名なアイルランドの大手ビール会社の資本のドイツで一番大きいといわれるアイリッ シュパブのやり手マネージャー。、、、の筈。(奴はそこで、週一回歌っている。) 私だってドイツ語は得意じゃないが、一応、なんの手紙かはチェックしてから捨てる。(切手 もスタンプもない、イミグレーションへの出頭命令を、名前を確認され、サインを要求され 手渡された時は、さすがにびびった。) またしても話はそれたが、ドイツ語は分からないから、彼の代わりに手紙に書かれている番 号に電話してくれという。 でしてみると、案の定、分からないから、どこどこに電話しろと いう、さらにそこに電話すると、更にタライ回し。その後、最初に電話したところに掛け直 せだののやり取りの後、やっと目当てのところに繋がったと思ったら、説教された挙げ句、 今日はもう業務時間外(5時前)で、担当もいないから、明日かけ直せと言うではないか。 (今更、ドイツの官僚と呼ばれる公僕のどんな対応にも驚かんけどね。) それより参ったのはテリ−、税金滞納で車を没収されたらしいという事が分かっても、相変わ らず落ち込んだまま。盗まれたんじゃないだけマシだとは思うが、(ヨーロッパで車なんか盗 まれたら、2度と出てこない。しかも、値の張るBMW。おまけに、掛け金はやたら高いくせに、 保険会社は、とっても渋い。)、、、、 どうも、銀行の残高も7千マルク程のマイナスになっ ているらしい。彼テリーは、私のというより、奴の、友人で、雇用主で、アイリッシュサーク ルの飲み仲間。それが、奴もいないのに、うちの居間で、「あ−どうしよう、どうしよう。」と 文字どおり、頭を抱えて座っている。おまけに未だに彼の英語は良く分からん。訛が強いという より、やたら早口な上に凝った言い回しをするのだ。 「どうしよう」といわれても、私にはどう しようもない。 それにもう、私に話しているというよりか、独り事を声に出して唸っていると いった状態。で、「あ−どうしよう、どうしよう。」を姑くの間、繰返した後、テリーはお礼を いって帰っていった。「気落とさないでね。大丈夫?」と言うのが精一杯 結局その後彼はどうしたかというと、翌日、競売所に行き、後一歩で、アンダーザハンマーのと ころ、滞納分を含め税金を払い、車を取返した。 別に、私は構わないんだけどさ。なんていうか、イージーゴーイングなアイリッシュが官僚主義 バリバリのドイツに住むとどうなるかって事なんだけど、、、、問題は、それでも懲りないのが アイリッシュって事だったりする。 続く
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